「ふたたびの出会い 日韓近代美術家のまなざし-『朝鮮』で描く- 」展

4月4日(土)より、神奈川県立近代美術館 葉山にて「ふたたびの出会い 日韓近代美術家のまなざし-『朝鮮』で描く- 」展 がはじまります。この展覧会を担当する学芸員の李美那さんは、4月18日(土)17:30〜 私たちの『エステティック・ライフ – オートマチック』展のトークセッションにもいらしてくださいます。こちらもお楽しみに。

同館ホームページより

 本展は、20世紀前半における日本と韓国の美術、そして美術家同士の交流に焦点をあてた展覧会です。さまざまな矛盾に満ちた「近代」という時代の中、日韓両国の美術家たちは、みずからが置かれた社会的な限界とたくさんの苦難を抱えながら、そこにとどまらずそれを越えようとする眼差しを持ち、芸術の力で個々の世界を深めていきました。今わたしたちは、彼らの作品と、新たな目でふたたび出会おうとしています。
藤島武二、土田麦僊、山口蓬春、浅川伯教・巧、山口長男など日本近代美術を代表し韓国に縁の深い作家たち。高羲東(コ・フィドン)、李仁星(イ・インソン)、李仲燮(イ・ジュンソプ)、李快大(イ・クェデ)、金秉騏(キム・ビョンギ)ら、日本との交流をもつ韓国近代美術の巨匠たち。そして鳥居昇や荒井龍雄、佐藤九二男、入江一子など、これまでほとんど注目されてこなかった戦前の在「朝鮮」日本人作家の作品を、最新の研究成果をふまえて多数ご紹介します。これにより、この時代のアートシーンの複雑で多元的な側面もまたご覧いただけます。困難な社会情勢の中、芸術の力を信じて制作に励んだ先人たちの努力の精華は、21世紀の日韓両国を生きる我々に大きな勇気と希望を与えてくれることでしょう。
本展は、韓国国立現代美術館、サムスン美術館リウム、光州市立美術館や韓国内の個人所蔵家から、また日本国内では全国の美術館・博物館・個人所蔵家からの多数の出品作を擁して、日本国内6会場を巡回する大規模な展覧会です。

展覧会チラシダウンロード

関連企画 トークセッション

現在活躍中の学芸員お二人をお迎えしてトークセッションを行います。
予約不要。各回ともに1時間程度。

4月11日(土)17:30〜 鎮西 芳美 (東京都現代美術館学芸員)
4月18日(土)17:30〜 李 美那 (神奈川県立近代美術館学芸員)

鎮西芳美さんは、今回のエステティック・ライフ - オートマチック展でテキストの執筆をお願いしております。2011年のMOTアニュアル《Nearest Faraway | 世界の深さのはかり方》など、素晴らしい展覧会を企画されていらっしゃいます。また1998年の《リアル/ライフ》展などイギリス美術にも造詣が深い方です。現在開催中の《開館20周年記念 MOTコレクション特別企画 コレクション・ビカミング》(6月28日まで)を担当されております。

李さんには、生前の小林潔史氏を知る学芸員として、今回の展覧会についてお話を伺いたいと思います。2011年の神奈川県立近代美術館葉山館で開催された《ベン・シャーン》展は記憶に新しいですね。また来たる4月4日より開催される《ふたたびの出会い 日韓近代美術家のまなざし―『朝鮮』で描く》展を担当され、ご多忙の中トークにいらしてくださいます。

そういえば《Nearest Faraway | 世界の深さのはかり方》、《ベン・シャーン》どちらも震災の年の展覧会でした。

どうぞお気軽にご参加下さい。皆さまのご来場をお待ちしております。

 

宅 Shoomy 朱美さん企画ライブ “ Personal landscape ” Aesthetic Life – Automatic Version

展覧会期間中の4/16( 木 ) に、シューミーさんこと宅 Shoomy 朱美さんが、外苑前のZ.imagineで(トキ・アートスペースも外苑前です)展覧会に連携するライブを企画してくださいました。

★★★ “Personal landscape ” Aesthetic Life – Automatic Version
4月16日( 木 )は皆さまもぜひ展覧会→ライブとお楽しみください。メンバーは最強です。

4月16日( 木 ) 外苑前 「Z・imagine」
“ Personal landscape ”
Aesthetic Life – Automatic Version

宅 Shoomy 朱美 ( P.Vo )
かみむら泰一(Ts・Ss)
落合康介(B)
open 19:30 start 20:00
charge ¥2500(drink 別)

ジマジン TEL:03-3796-6757
港区北青山2-7-17 青山鈴越ビルB1F
地下鉄銀座線外苑前、2番3番出口すぐ。

★“ personal landscape” 、映画のsoundtrackやBGMのようにそこにある風景。背景に映るものが聞く人の未来であったり過去だったり。自分の背景としての音楽。mindscape。集中とリラックスの狭間のような状態で演奏したい。

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平田星司「Pureism 国際展 阿佐ヶ谷アートストリート」

3月7日から開催される「Pureism 国際展 阿佐ヶ谷アートストリート2015」に平田星司が参加します。

阿佐ヶ谷アートストリートは、美術を背景に音楽、文学、映像、舞踏、デザインなどの多様な表現と地域とのコラボレーションを目指す総合芸術イベントで、阿佐ヶ谷のギャラリー、地域施設や商店街を会場に、20代から80代の各世代のアーティスト総勢100名以上が参加します。

平田星司は、3月13日(金) – 3月19日(木)の期間アートスペース煌翔にて、野村康生、深浦亜希との三人展「メランコリア」に参加します。お近くにお越しの際は是非お立ちより下さい。

「メランコリア」平田星司、野村康生、深浦亜希
2015年 3月13日(金)- 3月19日(木)定休日:火曜日
11:00 – 19:00 (最終日 17:00)
アートスペース煌翔 : 東京都杉並区阿佐谷南3-2-29
tel: 03-3393-6337 

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アミカン・トーレン氏について

エステティック・ライフ – オートマチック展では『ROME automatic』という「本」の作品で参加するアミカン・トーレン (Amikam Toren 1945~ )は、今回が日本で初めての展示となります。

アミカン・トーレンは今から20年以上前、私(平田)がイギリスの大学で絵画を学んでいたときの恩師でした。60年代終わりにイスラエルから渡英しアーティストとしての道を歩み始め、初期の代表作の一つである「絵でもなく、椅子でもない」という10枚のキャンバスに描かれた椅子の絵と、その前に置かれた骨のように細くなった一脚の椅子からなる作品は、実際には削り取られた椅子の木屑をメディウムとして描かれたという衝撃的なものでした。また、1984年から蚤の市などで購入した絵画に直接鋭利な刃物で文字を切り取り、自らの作品として発表する「アームチェア・ペインティング」他、カテゴリーとしての絵画を挑発する氏の作品は、イギリスにおいて現代絵画の問題が話題に上る時にはしばしば言及されてきました。以来絵画のみならず立体、ビデオアートなど、表現の可能性を追求する作品群は、時にトートロジカルなユーモアを携えながらも、破壊を伴う喪失の概念が表出しており、見るものに底知れぬ深い謎を残してきました。

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90年代当時のイギリスは景気の低迷が続き政治的にも転換期にあり、美術界ではデミアン・ハーストを中心とする若い作家たち、YBAs( Young British Artists )がイギリス美術の刷新を求めて、メディアや巨大な資本家を巻き込んで非常に勢いがあった時代でした。しかし、その傍らで地道に独自の探求を続けている優れた作家たちもいました。Toren氏もそんな作家の一人で、近年(遅きに失した感もありますが)ようやくテート・モダンが氏の作品を収蔵し、2013年のテート・ブリテンでの“500 years of British Art”には氏の「アームチェア・ペイング」も展示されました。また昨年アメリカで初の大規模な個展” ‘Of the Times’ and Other Historic Works”がサンフランシスコで開催されました。

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4月の展覧会では、アミカン・トーレンが2009年に3ヶ月間ローマに滞在した時に描いたイタリアン・バロックをモチーフにしたドローイングに、パフォーマンス・アーティストでチェルシー・カレッジ・オブ・アーツでも教鞭をとる傍ら詩や散文の執筆もするピーター・スティックランド(Peter Stickland)がインスパイアされ、古代ローマの詩人オウディウス「変身物語」のカエサル暗殺の前兆の部分(巻15「カエサルの神化とアウグストゥス」)の抜粋もとに新たな散文を並走させ、ローマという空間を軸に「過去と現在」「言葉とドローイング」がバロックの唸りのように絡み合う書物『ROME automatic』(2012年出版)を、「作品」として展示します。

4月のエステティック・ライフ – オートマチック展をどうぞお楽しみに。

鈴木智惠さん グループ展・受賞のお知らせ

4月のエステティック・ライフ – オートマチック展に参加していただく版画家、鈴木智惠さんの展覧会がふたつ。2月16日(月)より銀座のシロタ画廊で『第82回版画展受賞者展』、2月5日(木)より新百合ケ丘のギャラリー華沙里で『異質の視点』展にも。

また、第14回南島原市セミナリヨ現代版画展で南島原市文化協会賞を受賞しました。

モノクロームの画面を構成する小さなざわめきのような線で刻印されたトルソーのイメージは、身体の不在や離脱を内部に留保した静謐な存在感があります。私たちの展覧会では620 x 470 mmの大型のリトグラフを3点展示予定です。どうぞお楽しみに。

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