日別アーカイブ: 2015年4月16日

エステティック・ライフ - オートマチック展は19日(日)まで

エステティック・ライフ - オートマチック展は19日(日)まで。いよいよ残り4日間となりました。皆様どうぞお見逃しの無いよう。

P1000346 平田星司 《Dalilah 》 2015 27 x 26 cm キャンバスに水彩、アクリル

P1000375中根秀夫 《Memories 1994  1770 x 840 mm(2枚) 青焼コピー(褪色していく)、ラミネート

前回の平田/中根の二人展から5年間、アミカン・トーレン氏の企画した伝説的展覧会『The pleasure of aesthetic life』を受けて「自分たちが見たい展覧会」について二人で語り尽した結果の今回の展示。

ウエダ・リクオさんはアミカン・トーレン氏が光州ビエンナーレで会った「素晴らしい日本人」の作家という名前すらわからない状態から平田が探し当てた作家であり、鈴木智惠さんは知人の作家の出品する大きなグループ展で偶然見つけた作家であったりする。それこそ「初めまして」から、そして企画書を送って「こういう趣旨の展覧会に作品を貸していただけないか」と懇願して参加していただいたのだ。小林潔史さんは30歳の若さで亡くなった先輩で、ご遺族で小林さんの弟である篤史さんとお墓参りに行くところから始まった。

今回の展示がアーティスト同士で行うグループ展と違うのは、企画者である私と平田がそれぞれの作家の出品作品までを決めているという点にある。エステティック・ライフというテーマで、そしてオートマチックというテーマにふさわしいものを時間をかけて吟味した。大阪までウエダさんに会いに行ってドローイング3点を決めてきたし、小林さんは5800個からカタログで吟味した。難しい決断だが時期と形態の特徴、そしてタイトルから28個に絞った。ご家族がいらして「私の誕生日の日のが無い!」と仰られた時にはさすがに申し訳なく思ったが、でも作品も展示方法も本人不在(当然だ)で、ノートを参照しながら私たち自身が決めた。鈴木さんは4度展覧会に足を運び、これ以外無い大型の版画3点を選んだ。結果として2010年と2011年の作品となり、若い気鋭の作家にとっては最新作を選べず可哀想なことをした。それでも私たちが全て責任を持ってこのエステティック・ライフ - オートマチックという展覧会を構成したのだということはここに記しておきたい。そう、テキストをいただいた鎮西芳美さんも、私がこれまで見てきた多くの展覧会のカタログの文章を吟味して、このテーマに最もふさわしい方として「是非に」とお願いしたのだ。幸いにしてどなたからも断られなかったことは私たちの誇りだが、そんな企画書がいきなり自分のところに届いたらかなりビビるだろうと、本当に申し訳無く感じてはいる。

すでに多くの作家の友人が訪れてくれたし、美術以外の友人も展覧会を楽しんでくれている。ふらりと一人で来た友人が奥さんを連れて再び訪れてくれたのは嬉しかった。小林さんの作品を通して多くの人が繋がり足を運んでくれていることも感謝している。(中根)