月別アーカイブ: 2015年3月

ブックレット完成!

4月6日より始まります「エステティック・ライフ – オートマチック」 展のブックレットが完成しました。東京都現代美術館の鎮西芳美さんより「Aesthetic Life – Automaticのための覚書」と題して素晴らしいテキストをいただきました。その他『ROME-automatic』より訳詩1編に各作家の紹介を含むA5版カラー20ページの超豪華!ブックレットです。どうぞお楽しみに。

2015-03-29 21-22-33 白いです。エステティックです(笑)表紙はニス引きしてあります。2015-03-29 21-49-07
2015-03-29 20-43-20 「Aesthetic Life – Automaticのための覚書」テキスト3ページ。2015-03-29 20-46-33

小林潔史さんの展示

今回の展示で期待も大きいのは、1994年に亡くなられ20年になります小林潔史さんの作品でしょうか。大学院在学中の1989年から94年9月までの5年間ほぼ毎日休みなく制作され、その数は5878個という驚異的な数になります。今回は晩年の28点を選び展示するのですが、なにしろご本人が不在なものですから、どういう展示にするかについては、ある程度はこちらで解釈をするしかないわけです。以下が展示プラン/指示書です(写真の切り貼り 笑)。

展示用の棚は現在都内某所(平田氏のアトリエですが…)で製作中です。搬入日には盟友IさんとKさんもお手伝いにいらしてくださいます。

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下は12月に弟の篤史さんと打ち合わせをした時の写真です。

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制作ノートより。

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The pleasure of aesthetic life

アミカン・トーレン氏が1996年に企画した展覧会『The pleasure of aesthetic life』については『Aesthetic Life 2010』のサイトでも触れましたが、今日はトーレン氏の同タイトルの作品を紹介します(展覧会にはこの作品は出品しません)。

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これはトーレン氏が90年代から制作を続けている「アームチェア・ペインティング」というシリーズで、マーケットなどで売られている(これはかなりイギリスらしいことだと思いますが)日曜画家の描いた絵画を購入し、文字をカット・アウトして「作品」としています。

私たちの展覧会『エステティック・ライフ – オートマチック』展も、この「エステティック・ライフ」という、ある意味でかなり批評的であり、攻撃的でもあるトーレン氏の意志を受け継いでいます。「エステティック」とは何なのか?そして「エステティック・ライフ」とは何なのか?私たちの身に迫った「問い」なのではないでしょうか。

 

 

 

アミカン・トーレン氏のドローイングより

『ROME automatic』より、アミカン・トーレン氏のドローイングを少しだけ紹介します。2009年の春、3ヶ月のローマ滞在中にイタリアン・バロックから着想を得て描いたオートマチックドローイング。

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エステティック・ライフ – オートマチック 展は4月6日(月)からはじまります。宜しくお願いします。

「ふたたびの出会い 日韓近代美術家のまなざし-『朝鮮』で描く- 」展

4月4日(土)より、神奈川県立近代美術館 葉山にて「ふたたびの出会い 日韓近代美術家のまなざし-『朝鮮』で描く- 」展 がはじまります。この展覧会を担当する学芸員の李美那さんは、4月18日(土)17:30〜 私たちの『エステティック・ライフ – オートマチック』展のトークセッションにもいらしてくださいます。こちらもお楽しみに。

同館ホームページより

 本展は、20世紀前半における日本と韓国の美術、そして美術家同士の交流に焦点をあてた展覧会です。さまざまな矛盾に満ちた「近代」という時代の中、日韓両国の美術家たちは、みずからが置かれた社会的な限界とたくさんの苦難を抱えながら、そこにとどまらずそれを越えようとする眼差しを持ち、芸術の力で個々の世界を深めていきました。今わたしたちは、彼らの作品と、新たな目でふたたび出会おうとしています。
藤島武二、土田麦僊、山口蓬春、浅川伯教・巧、山口長男など日本近代美術を代表し韓国に縁の深い作家たち。高羲東(コ・フィドン)、李仁星(イ・インソン)、李仲燮(イ・ジュンソプ)、李快大(イ・クェデ)、金秉騏(キム・ビョンギ)ら、日本との交流をもつ韓国近代美術の巨匠たち。そして鳥居昇や荒井龍雄、佐藤九二男、入江一子など、これまでほとんど注目されてこなかった戦前の在「朝鮮」日本人作家の作品を、最新の研究成果をふまえて多数ご紹介します。これにより、この時代のアートシーンの複雑で多元的な側面もまたご覧いただけます。困難な社会情勢の中、芸術の力を信じて制作に励んだ先人たちの努力の精華は、21世紀の日韓両国を生きる我々に大きな勇気と希望を与えてくれることでしょう。
本展は、韓国国立現代美術館、サムスン美術館リウム、光州市立美術館や韓国内の個人所蔵家から、また日本国内では全国の美術館・博物館・個人所蔵家からの多数の出品作を擁して、日本国内6会場を巡回する大規模な展覧会です。

展覧会チラシダウンロード

関連企画 トークセッション

現在活躍中の学芸員お二人をお迎えしてトークセッションを行います。
予約不要。各回ともに1時間程度。

4月11日(土)17:30〜 鎮西 芳美 (東京都現代美術館学芸員)
4月18日(土)17:30〜 李 美那 (神奈川県立近代美術館学芸員)

鎮西芳美さんは、今回のエステティック・ライフ - オートマチック展でテキストの執筆をお願いしております。2011年のMOTアニュアル《Nearest Faraway | 世界の深さのはかり方》など、素晴らしい展覧会を企画されていらっしゃいます。また1998年の《リアル/ライフ》展などイギリス美術にも造詣が深い方です。現在開催中の《開館20周年記念 MOTコレクション特別企画 コレクション・ビカミング》(6月28日まで)を担当されております。

李さんには、生前の小林潔史氏を知る学芸員として、今回の展覧会についてお話を伺いたいと思います。2011年の神奈川県立近代美術館葉山館で開催された《ベン・シャーン》展は記憶に新しいですね。また来たる4月4日より開催される《ふたたびの出会い 日韓近代美術家のまなざし―『朝鮮』で描く》展を担当され、ご多忙の中トークにいらしてくださいます。

そういえば《Nearest Faraway | 世界の深さのはかり方》、《ベン・シャーン》どちらも震災の年の展覧会でした。

どうぞお気軽にご参加下さい。皆さまのご来場をお待ちしております。